建設資材の高騰が続くと、「いつまで待てば落ち着くのか」「今発注すべきか」を判断しにくくなります。受注済みの工事では、材料費の上昇がそのまま利益を削り、支払いだけが先に来る場面も増えてきます。
問題は、高騰の終わりを待つだけでは現場の資金繰りを守れないことです。品目ごとの価格推移、出荷停止の有無、代替資材、見積書の有効期限を分けて確認しなければ、発注遅れや資金ショートにつながります。
この記事では、建設資材の価格高騰がいつまで続く可能性があるのかを整理し、品目別の価格推移、資材高騰への対策、建設業の資金繰り戦略をまとめます。
- 建設資材の品目別価格推移(鉄鋼・木材・セメント・石油化学製品)
- 2026年の新たなリスク(LIXIL出荷停止・ナフサ危機)
- 資材高騰への実践的な対策5選
- 資材高騰時代の資金繰り戦略(ファクタリング・注文書FA)
建設資材の価格高騰はいつまで続くのか【2026年最新】
主要資材の価格推移
建設物価調査会のデータによると、2021年1月を基準にした主要建設資材の価格上昇率は以下の通りです。
| 資材カテゴリ | 2021年1月比上昇率 | 主な要因 |
|---|---|---|
| 土木資材(平均) | +41% | 生コン・鉄鋼・アスファルト高騰 |
| 建築資材(平均) | +37% | 木材・断熱材・サッシ高騰 |
| 建設全体(平均) | +38% | 複合要因 |
2026年3月時点で2024年12月対比でも5〜6%上昇しており、高騰は現在進行形です。
品目別の状況
鉄鋼(異形棒鋼・H形鋼)
異形棒鋼は2022年6月に1トンあたり12万円を超えるピークをつけた後、やや下落。しかし2026年現在も高値圏で推移しています。米国の関税政策や中国の需要低迷など、国際市場の不安定さが価格変動リスクを高めています。
木材
2021年のウッドショックのピークからは落ち着いたものの、日本の木材は7割を輸入に依存しており、円安と燃料価格の上昇が輸送コストを押し上げ続けています。
セメント・生コン
セメントはエネルギー多消費型の製品であるため、電気代・燃料費の高騰がダイレクトに価格に反映されます。緩やかながら上昇が継続中です。
石油化学製品(塩ビ管・断熱材・防水シート)
2026年のナフサ危機により、石油由来の建設資材が軒並み高騰。塩ビ管・断熱材・防水シートなどは建設現場で大量に使用されるため、影響が特に大きい品目です。
▶ ナフサ危機の詳細は2026年ナフサ危機で何が起きている?原材料高騰が中小企業の資金繰りを直撃する理由で解説しています。
▶ 品目別の最新価格データは建設資材高騰まとめ2026年4月最新【品目別15品目一覧】をご覧ください。
高騰の6つの構造的原因
- ① ウッドショック・アイアンショックの余波:コロナ禍の需要増と供給制約の影響が残る
- ② ロシア・ウクライナ戦争:エネルギー・資源価格の高騰
- ③ 円安:輸入資材のコスト増(木材の7割、鉄鋼の一部が輸入依存)
- ④ 燃料費・電気代の高騰:セメント・生コンなどエネルギー多消費品に影響
- ⑤ 世界的な建設需要の増加:データセンター・再開発の急増で需要が供給を上回る
- ⑥ 国内の労務費上昇:2021年度比で22.9%上昇。運搬・加工コストに転嫁
2026年の新たなリスク:LIXIL出荷停止の衝撃
2026年3月31日、LIXILは2016年11月以降に出荷したビル用防火戸94認定で国交大臣認定書と異なる仕様の製品を販売していたことを公表。対象は約80万セット、約3万8,400棟に設置されており、2026年4月1日より出荷停止となりました。
- 代替品の調達コスト増:他メーカーの防火戸は供給が追いつかず、割高に
- 工期の遅延:防火戸が調達できず竣工が延びる→入金も遅延
- 設計変更の手間:代替品への切替えにともなう図面修正・申請手続き
- 既存建築物の改修コスト:認定不適合品の交換費用の負担問題
LIXILはビル用防火戸の国内シェアが高く、代替の選択肢が限られることが問題を深刻にしています。



資材高騰への対策5選
対策①:物価スライド条項の積極活用
公共工事では、契約後の資材価格変動に応じて請負代金を変更できる「物価スライド条項」が制度化されています。
しかし、実際には元請から「使わないでほしい」と圧力がかかるケースも。2025年12月の建設業法改正では、不当に低い請負代金を禁止する規定が強化されました。下請であっても、価格転嫁の交渉は法的に保護されています。
対策②:資材の早期調達・まとめ買い
価格が上がりそうな資材は、工事の受注段階で早めに発注しておくことでコストを抑えられます。ただし、先行仕入れは資金繰りを圧迫するというトレードオフがあります。
対策③:VE提案(代替資材の検討)
VE(バリューエンジニアリング)とは、品質を維持しながらコストを下げる代替案を提案すること。高騰している資材を安価な代替品に変更できないか、設計段階で検討します。
対策④:原価管理の精緻化
「どの工事で、どの資材が、いくら利益を圧迫しているか」を工事別に把握しましょう。原価管理を精緻化すれば、赤字工事を早期に発見し、追加請求や工法変更などの対策を打てます。
対策⑤:資金繰りの見直し
資材高騰は「利益の問題」であると同時に「資金繰りの問題」です。材料費が上がれば先払い負担が増大し、キャッシュフローが悪化します。次章で詳しく解説します。
資材高騰時代の資金繰り戦略
資材高騰は避けられません。であれば、高騰した資材費を支払うためのキャッシュフローをどう確保するかが生き残りの鍵です。
問題の構造
❶ 受注時の見積もりで材料費を算出
❷ 施工時に資材価格が上昇 → 実費が見積もりを超過
❸ 差額は自社負担 → 利益が圧縮
❹ 材料費の先払い額が増大 → キャッシュフローが悪化
❺ 元請からの入金は90〜120日後 → 手元資金が枯渇
ファクタリングで入金を前倒し
資材費が高騰する中、元請からの入金を待たずに売掛金を即日現金化するファクタリングは、建設業の資金繰り対策として急速に広がっています。
- 材料費の先払いが月400万→月550万に増加した → その分をFAで前倒し入金
- LIXIL出荷停止で代替品を割高な価格で緊急調達する必要がある → FAで即日資金化
- ナフサ危機で塩ビ管・断熱材の仕入れコストが急上昇 → FAで先払い負担をカバー
▶ 建設業のファクタリング活用法は建設業のファクタリング完全ガイドで詳しく解説しています。
注文書ファクタリングで資材の先行調達資金を確保
資材高騰への対策として「早めに資材を調達する」のは有効ですが、先行仕入れには資金が必要です。注文書ファクタリングなら、工事の受注段階で資金を調達し、価格が上がる前に資材を確保することが可能です。
▶ 注文書ファクタリングの仕組みは注文書ファクタリングとは?仕組み・手数料・対応会社を解説をご覧ください。

建設業向け資金調達手段の比較
| 銀行融資 | 補助金 | ファクタリング | 注文書FA | |
|---|---|---|---|---|
| 入金スピード | 2週間〜1ヶ月 | 半年〜1年 | 最短即日 | 最短即日 |
| 必要書類 | 決算書・事業計画 | 事業計画書 | 請求書・売掛金 | 注文書・発注書 |
| 負債 | 増える | 増えない | 増えない | 増えない |
| 資材先行調達 | ○ | ×(後払い) | △(完工後) | ◎(着工前) |
▶ 建設業に強いファクタリング会社の比較は建設業におすすめのファクタリング会社10選でまとめています。

まとめ:資材高騰は「コスト管理」と「資金繰り」の両面で対応する
① コスト面:物価スライド条項の活用・VE提案・原価管理の精緻化で、利益率の低下を最小限に
② 資金繰り面:資材費↑→先払い負担↑→キャッシュフロー悪化。ファクタリングで売掛金を前倒し入金し、増大した先払い負担をカバーする
③ 調達面:注文書FAで着工前に資金確保→資材の早期調達で価格上昇前にロック
👇 ファクタリングを基礎から理解したい方は、まずこちらをどうぞ。

資材高騰がいつ終わるかは誰にもわかりません。だからこそ、「高騰が続く前提」で経営と資金繰りを組み立てることが重要です。
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