ファクタリングおすすめ業者25社比較|手数料・審査で厳選【2026年版】

ファクタリングの確定申告:会計処理・仕訳・税務上の注意点を解説

3秒でわかること
  • ファクタリングを使っても売上計上タイミングは変わらない(発生主義の原則)
  • 手数料は「売上債権売却損」または「支払手数料」として全額経費になる
  • 消費税は売買差額=非課税・事務手数料=課税10%

「ファクタリングを使ったんですけど、確定申告ってどう処理すればいいんですか?」

筆者がファクタリング会社に在籍していたころ、決算期になるとこの質問が殺到しました。ファクタリングを使っても売上の金額は1円も変わりません。そして手数料は全額経費になります。

しかし、仕訳の切り方や勘定科目の選び方を間違えると、税務署から「この経費は何ですか?」と問い合わせが来るケースがあります。実際に、手数料を「借入金利息」で計上してしまい、税務調査で修正申告を求められた個人事業主もいます。

この記事では以下の内容を解説します。

  • ファクタリングと確定申告の大原則
  • 手数料の勘定科目3択と選ぶべき基準
  • 仕訳の3ステップ実例(個人事業主・法人)
  • 消費税・インボイス制度の注意点
  • 確定申告書への具体的な記載方法
  • 税務調査対策と書類保管の実務
  • よくある質問10選

元ファクタリング担当者として、税理士への確認も踏まえながら、実務で使えるレベルまで落とし込んで解説します。

この記事でわかること
  • ファクタリング手数料の勘定科目の選び方
  • 個人事業主・法人別の仕訳3ステップ実例
  • 確定申告書への記載方法と税務調査対策
目次

ファクタリングと確定申告の大原則:「売上は変わらない、手数料は経費になる」

この節のポイント

ファクタリングは売掛債権の譲渡であり、借入ではありません。売上計上は「発生主義」に基づき、入金タイミングではなく役務提供・納品が完了した時点で行います。

確定申告を正しく処理するうえで、最初に押さえるべき原則が2つあります。

原則①:売上計上タイミングはファクタリングと無関係

日本の会計基準では「発生主義」が原則です。売上は商品を納品した日、あるいはサービスを提供した日に計上します。お金がいつ入金されたかは関係ありません。

つまり、100万円の売掛金をファクタリングで早期回収しても、通常通り入金を待っても、確定申告書に記載する売上高は同じ100万円です。「ファクタリングで90万円しか受け取っていないから、売上は90万円」という処理は絶対にやってはいけません

原則②:手数料は「債権譲渡にかかるコスト」として全額経費になる

ファクタリング手数料は、売掛債権を早期に資金化するためのコストです。事業に直接関係する費用ですので、全額を経費として計上できます。これは個人事業主でも法人でも同じです。

2社間ファクタリング利用時の注意

2社間ファクタリングの場合、取引先には債権譲渡の事実を通知しません。そのため、取引先からの入金は一旦あなたの口座に入り、そこからファクタリング会社へ送金する流れになります。

このとき、取引先から入った入金を売上として二重計上しないように注意してください。すでに売上は発生主義で計上済みです。取引先からの入金は「預り金」として処理し、ファクタリング会社へ送金した時点で預り金を消す仕訳を切ります。

手数料の勘定科目:3択と選ぶべき基準

この節のポイント

ファクタリング手数料に使える勘定科目は主に3つ。どれを選んでも税額は同じですが、一度決めたら毎年同じ科目を使い続ける「継続性の原則」を守ってください。

「手数料は経費になるのはわかったけど、何の科目で計上すればいいの?」という質問もよく受けます。筆者の経験上、税理士によって推奨する科目が異なるため、迷う方が多いです。

結論として、以下の3択のどれを使っても税額への影響はありません。大切なのは、選んだ科目を毎年変えないことです。

勘定科目適用場面メリットデメリット推奨度
売上債権売却損売掛債権の譲渡損として処理取引の実態を最も正確に反映する科目名が長く、初見では意味が伝わりにくい★★★(最推奨)
支払手数料手数料・コミッションとして処理多くの会計ソフトにデフォルトで存在する銀行手数料などと混在しやすい★★☆
雑損失少額・一時的な利用で処理臨時的な支出に使いやすい継続利用だと「なぜ毎年雑損失?」と疑問視される★☆☆

筆者の推奨は「売上債権売却損」です。ファクタリングは法律上「債権譲渡」であり、借入ではありません。この実態を勘定科目で正確に表現できるのが「売上債権売却損」です。

ただし、freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトでは「売上債権売却損」がデフォルトの科目一覧に登録されていません。その場合は、勘定科目を追加登録するか、「支払手数料」を使用してください。

なお、「支払利息」や「借入金利息」は絶対に使わないでください。ファクタリングは借入ではないため、利息科目で計上すると取引の実態と異なり、税務調査で指摘されるリスクがあります。

継続性の原則について

企業会計原則には「継続性の原則」があります。一度選択した会計処理の方法は、正当な理由がない限り変更してはいけません。今年は「売上債権売却損」、来年は「支払手数料」というように毎年変えると、利益操作の疑いを持たれる可能性があります。初年度の選択が重要ですので、迷ったら税理士に相談してください。

仕訳の3ステップ実例(個人事業主・法人)

この節のポイント

ファクタリングの仕訳は「①売上計上 → ②ファクタリング成立 → ③入金」の3ステップで整理すると、漏れなく処理できます。

ここからは、具体的な金額を使って仕訳の流れを解説します。以下の条件を前提にします。

  • 売掛金額:100万円
  • ファクタリング手数料:10%(10万円)
  • 入金額:90万円
  • 勘定科目:売上債権売却損
1
売上計上時(請求書発行・役務提供時)

商品の納品やサービスの提供が完了した時点で、売上と売掛金を計上します。この仕訳はファクタリングの有無に関係なく、通常の取引と同じです。

借方金額貸方金額
売掛金1,000,000売上高1,000,000

この仕訳を切るタイミングは「入金日」ではなく「納品日・役務提供完了日」です。ここを間違えると、期をまたいだ場合に売上の計上漏れとなり、税務調査で追徴課税されるリスクがあります。

2
ファクタリング成立時(債権譲渡契約締結時)

ファクタリング会社と契約を締結し、債権譲渡が成立した時点で、売掛金を未収入金に振り替え、手数料を計上します。

借方金額貸方金額
未収入金900,000売掛金1,000,000
売上債権売却損100,000(貸方なし)(なし)

「未収入金」は、ファクタリング会社からまだ入金されていない金額を意味します。手数料10万円は「売上債権売却損」として費用計上します。

3
ファクタリング会社からの入金時

実際にファクタリング会社から口座に入金があった時点で、未収入金を消します。

借方金額貸方金額
普通預金900,000未収入金900,000

これでファクタリングに関する一連の仕訳が完了します。

2社間ファクタリングの追加仕訳

2社間ファクタリングの場合は、上記3ステップに加えて、取引先からの入金とファクタリング会社への送金の仕訳が必要です。

取引先からの入金時:

借方金額貸方金額
普通預金1,000,000預り金1,000,000

ファクタリング会社への送金時:

借方金額貸方金額
預り金1,000,000普通預金1,000,000

取引先からの入金を「売上」として計上してしまうと二重計上になります。必ず「預り金」で処理してください。筆者がファクタリング会社で相談を受けたケースの中で、この二重計上ミスは最も多い間違いの一つでした。

「支払手数料」を使う場合の仕訳(ステップ2のみ変更)

借方金額貸方金額
未収入金900,000売掛金1,000,000
支払手数料100,000(貸方なし)(なし)

ステップ1とステップ3の仕訳は同じです。変わるのはステップ2の費用科目だけですので、どの科目を選んでも仕訳の構造自体は変わりません。

消費税とインボイス制度の注意点

この節のポイント

ファクタリングの売買差額(手数料本体)は非課税取引です。ただし、事務手数料や書類作成料は課税対象(10%)になるため、請求明細の内訳確認が必須です。

ファクタリングの消費税処理は、「何に対する支払いか」によって課税・非課税が変わる点がポイントです。

費用の内訳消費税区分根拠具体例(100万円の債権・手数料10%の場合)
売買差額(手数料本体)非課税有価証券の譲渡に類する取引(消費税法別表第一第二号)100,000円 → 消費税なし
事務手数料課税(10%)役務提供の対価11,000円(税込)→ 消費税1,000円
書類作成料・登記費用課税(10%)役務提供の対価5,500円(税込)→ 消費税500円
印紙代(実費精算)非課税印紙税は国税200円 → 消費税なし

実務で注意すべきは、ファクタリング会社からの請求書に「手数料一式」とだけ記載されているケースです。この場合、売買差額と事務手数料の内訳がわからず、消費税の区分処理ができません。必ず内訳の明細をファクタリング会社に請求してください

課税売上割合への影響

ファクタリングの売買差額は「非課税売上」に分類されます。非課税売上が増えると、課税売上割合が下がります。

課税売上割合が95%を下回ると、仕入税額控除の計算方法が「全額控除」から「個別対応方式」または「一括比例配分方式」に変わります。計算が複雑になるだけでなく、控除できる消費税額が減少し、納税額が増える可能性があります。

ただし、金銭債権の譲渡については、非課税売上に算入する金額は「譲渡対価の5%」とする特例があります(消費税法施行令第48条)。100万円の債権を90万円で譲渡した場合、非課税売上に算入するのは90万円×5%=45,000円です。通常の事業者であれば課税売上割合への影響は限定的ですが、高額なファクタリングを頻繁に利用する場合は税理士に確認してください。

インボイス制度との関係(2023年10月以降)

2023年10月に開始されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)により、課税取引の仕入税額控除には適格請求書(インボイス)の保存が必要になりました。

ファクタリングの事務手数料(課税10%)について仕入税額控除を受けるには、ファクタリング会社が適格請求書発行事業者であること、かつ適格請求書を発行していることが条件です。

なお、免税事業者からの仕入れに対する経過措置として、2026年9月30日までは仕入税額の80%が控除可能です(調査時点:2026年3月)。2026年10月1日以降は50%に引き下げられ、2029年10月1日以降は控除不可となります。ファクタリング会社を選ぶ際には、適格請求書発行事業者の登録番号(T+13桁の数字)を確認しておくと安心です。

確定申告書への具体的な記載方法

この節のポイント

個人事業主(青色・白色)と法人で、ファクタリング手数料を記載する場所が異なります。特に白色申告の場合は「その他の経費」欄を使う点に注意してください。

「仕訳はわかったけど、申告書のどこに書けばいいの?」という質問も多い。筆者も確定申告セミナーで登壇した際、この点を質問される方が大半でした。以下の表で確認してください。

申告区分使用する書類手数料の記載欄具体的な記載方法
青色申告(個人)青色申告決算書(損益計算書)経費欄の空白行(㉚〜㉜付近)科目名に「売上債権売却損」と記入し、年間の手数料合計額を記載
白色申告(個人)収支内訳書「その他の経費」欄科目名を「売上債権売却損」として手数料合計額を記載
法人法人税申告書別表四+決算書損益計算書の「営業外費用」欄「売上債権売却損」として費用計上。別表四での加減算は不要(損金算入)

青色申告の場合の補足

青色申告決算書の経費欄には、「売上債権売却損」というデフォルトの科目がありません。空白の行に自分で科目名を記入します。e-Taxを利用している場合は、「その他の経費」セクションから科目を追加できます。

現金主義特例について

前々年分の事業所得が300万円以下の青色申告者は、「現金主義」による所得計算の特例を選択できます(所得税法第67条)。この場合、売上は入金時に、経費は支払時に計上します。

ファクタリングを利用している場合、現金主義では以下の処理になります。

  • 売上計上:ファクタリング会社から90万円が入金された日に「売上90万円」
  • 手数料の計上:ファクタリング手数料は入金時に差し引かれているため、別途経費計上不要

ただし、現金主義を選択するには事前に「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書」を税務署に提出しなければなりません。提出していない場合は発生主義が適用されますので、前述の3ステップの仕訳に従ってください。

現金主義は簡便ですが、ファクタリングの利用頻度が高い場合は発生主義のほうが実態を正確に把握できます。特に事業規模が大きくなると現金主義の特例は使えなくなりますので、最初から発生主義に慣れておくことをおすすめします。

税務調査対策と書類保管の実務

この節のポイント

ファクタリング関連の書類は最低7年間保管が必要です。税務調査で「経費の根拠」を求められた際に、契約書と手数料明細が揃っていないと否認されるリスクがあります。

ファクタリングの利用そのものは、税務上まったく問題のない正当な資金調達手法です。しかし、書類の不備や仕訳の誤りがあると、税務調査で指摘を受ける可能性があります。ここでは、実務で押さえておくべき対策を解説します。

保管すべき書類一覧

書類名保管期間電子保存備考
ファクタリング契約書7年可(電帳法要件を満たす場合)契約条件・手数料率・契約日を確認できること
債権譲渡通知書(3社間の場合)7年債権譲渡の事実を証明する書類
手数料明細書7年売買差額・事務手数料・消費税の内訳が必要
売掛先への請求書(控え)7年売上計上の根拠となる書類
入金明細・通帳コピー7年ファクタリング会社からの入金を確認できること
債権譲渡登記事項証明書7年2社間で登記を行った場合のみ

2024年1月以降は、電子帳簿保存法(電帳法)の改正により、電子データで受領した書類は電子のまま保存することが義務化されています。ファクタリング会社からメールやWebで受け取った契約書・明細は、紙に印刷するだけでは保存要件を満たしません。タイムスタンプの付与、または事務処理規程の整備が必要です。

税務調査でよくある間違い3選

筆者がファクタリング会社在籍時に見聞きした、税務調査で問題になった事例を3つ紹介します。

間違い①:手数料を「支払利息」「借入金利息」で計上

ファクタリングは借入ではなく債権譲渡です。利息科目で計上すると、貸金業法の適用を受ける「融資」と混同され、取引の実態と帳簿が合わなくなります。税務調査で「これは借入ですか、債権譲渡ですか」と質問され、矛盾を指摘されたケースがあります。

間違い②:受取額(手数料差引後)を売上として計上

100万円の売掛金をファクタリングし、90万円を受け取った場合に「売上90万円」と計上してしまうパターンです。売上は必ず100万円で計上し、手数料10万円は別途経費に計上します。受取額を売上にすると、売上高が実態より10%少なくなり、過少申告と見なされます。

間違い③:ファクタリングを使わなかった場合と同じ処理をする

「手数料の仕訳を切らず、入金90万円を売掛金の回収として処理する」というケースです。この場合、売掛金が10万円残ったまま消えないため、決算書の売掛金残高が実態と合わなくなります。税務調査で「この売掛金10万円の回収見込みは?」と質問される原因になります。

ファクタリングの確定申告に関するよくある質問

よく寄せられる質問と回答をまとめました。

ファクタリングを使ったら確定申告の売上金額は変わりますか?

変わりません。売上は発生主義に基づき、商品の納品日やサービス提供完了日に計上します。

ファクタリング手数料は経費にできますか?

はい、全額経費にできます。ファクタリング手数料は事業のために支払った費用ですので、「売上債権売却損」「支払手数料」「雑損失」のいずれかの勘定科目で損金算入(個人事業主の場合は必要経費算入)が可能です。

勘定科目は「売上債権売却損」「支払手数料」のどちらがいいですか?

取引の実態を正確に反映する「売上債権売却損」が最も推奨されます。ただし、どちらを選んでも税額は変わりません。

ファクタリング手数料に消費税はかかりますか?

売買差額(手数料本体)は金銭債権の譲渡に係る対価であり、非課税です。ただし、ファクタリング会社が別途請求する事務手数料や書類作成料は課税取引(消費税10%)となります。

確定申告書のどこにファクタリング手数料を書けばいいですか?

青色申告の個人事業主は「青色申告決算書」の経費欄の空白行に科目名を記入します。白色申告は「収支内訳書」の「その他の経費」欄に記載します。

2社間ファクタリングで取引先から入金があった場合、売上に計上しますか?

いいえ。すでに発生主義で売上計上済みですので、取引先からの入金は「預り金」として処理します。

ファクタリングの利用は税務調査で不利になりますか?

ファクタリングの利用自体が不利になることはありません。正当な資金調達手段であり、売上債権売却損での仕訳と契約書・手数料明細の7年保管ができていれば問題ありません。

ファクタリング関連の書類は何年間保管すればいいですか?

法人・個人事業主ともに最低7年間の保管が必要です。契約書・手数料明細・債権譲渡通知書・入金明細などが該当します。

免税事業者がファクタリングを使った場合の消費税処理はどうなりますか?

免税事業者は消費税の申告義務がないため、消費税の区分処理は不要です。手数料の全額を「売上債権売却損」等の経費として計上するだけで問題ありません。

期末をまたぐファクタリングの処理はどうすればいいですか?

売上計上は必ず役務提供・納品が完了した期に行います。例えば、12月に売上計上した売掛金を翌年1月にファクタリングした場合、売上は12月期、手数料は1月期の経費となります。

まとめ|ファクタリングの確定申告は売買取引として正しく処理する

  • ファクタリングを利用しても売上額は変わらない。発生主義の原則に基づき、納品日・役務提供完了日に全額計上する
  • 手数料は「売上債権売却損」「支払手数料」「雑損失」のいずれかで経費計上できる。一度選んだ科目は継続性の原則に従い毎年統一する
  • 消費税は売買差額が非課税、事務手数料が課税10%。インボイス経過措置は2026年9月30日まで80%控除が可能
  • 仕訳は「売上計上→ファクタリング成立→入金」の3ステップで切る
  • ファクタリング契約書・手数料明細・入金記録は最低7年間保管する

仕訳の3ステップを正確に切り、根拠書類を7年間保管する。この2点を守れば、ファクタリングの確定申告で困ることはありません。

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この記事を書いた人

元地方銀行員、元ファクタリング会社審査部。銀行員時代は4年間で200社超の決算書を審査。転職後のファクタリング会社では営業・審査を合わせて8年、累計約4,000件の案件に携わった。「業者がどこを見ているか」を審査担当者の立場で知っている。日商簿記2級・FP2級保有

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